ブルーオーシャンはレッドオーシャンの中にある

 最近はあまり見なくなりましたが、一時「事業で成功するためにはレッドオーシャンで勝負をしてはダメだ。ブルーオーシャンを探せ!」的な内容の本や雑誌が頻繁に世に出ていたのを記憶しています。

 確かにレッドオーシャンでは事業は成功しません。レッドオーシャンの市場が大企業その他にもう押さえられてしまい、中小零細企業は価格戦略以外で入り込む余地がないからです。付加価値がなく、価格戦略に踏み切った企業の末路は悲惨です。

 では中小零細企業はブルーオーシャンを見つけることができるのでしょうか? 結論としては、見つけるどころか糸口さえ見えてこないのが現実です。単純に考えればこれは当たり前の話で、まだ誰も手を付けていない市場を資金や人材が不足する中小零細企業が見つけられるわけがないのです。

 ではどうすれば事業を成功させることができるのでしょうか?

 本質的な話をすれば「レッドオーシャンの中にブルーオーシャンを探せ!」ということです。中小零細企業にとって、まっさらなブルーオーシャンは存在しません。レッドオーシャンの中にこそ隙間があり、その隙間がブルーオーシャンとなるのです。

 私はお客様に「目線を5度変えてください」とよく話しています。90度180度変えることは現実的に不可能ですので、5度で大丈夫です。この訓練を日々の実務の中で行うと、見えないものが見えてきます。

 まずは5度変えた目線で考え続けることが大切です。