「お客様目線」より「二重化」を

 私が大学の空手部時代に師匠である先生から言われ続けたのが「二重化」です。簡単に言えば「私が先生だったらどのように行動するかいつも考えろ」ということです。 

 「お客様目線」という言葉があります。これは、お客様は何を考え行動しているかを、主体である自分の脳で考えろ、という意味です。言い換えると、自分のレベルをお客様のレベルに合わせろと非常に難しいことを要求しているのです。そもそも「目線」を一致させるのは不可能に近いので、結果として成果は出ないでしょう。

 私はお客様やセミナー受講者に「自分だったらその商品を買うのか、そのサービスを受けるのか、考えてください」と話します。自分が買わないようなものをお客様が買うと思うのは、お客様を馬鹿にしていることに近いと思いませんか。

 私なりの解釈では、「二重化」の意味は、自分のレベルで相手のことを考えるではなく、相手になりきることです。相手は何故そのようなことを言ったのか、何故そのような行動をしたのか、を相手になりきって考えることです。