世間の相場観からの脱却を

私は仕事上お客様の商品の価格について意見を求められることが多いです。

自分だったらその商品をいくらで購入するか、などと意見を言わせていただきますが、その中でお客様がどうしても乗り越えられないものがあります。それは「世間の相場観」です。

この「世間の相場観」とは非常に恐ろしく、企業各社が努力して良い商品を提供しようとしても、その商品は(品質はそれほど考慮されないまま)だいたい○○円だよねと世間の皆様に価格決定権を奪われてしまうのです。

私の感覚では、飲食店(特にラーメン屋)やマッサージ店、美容室、弁当屋、税理士などはその最たるものだと思います。

例えばラーメン屋であれば、最近は多少値上げができていますが、1杯1,000円は高いと思われています。工場で作ったレトルトのようなラーメンでも、店主が気温や湿度まで考えて毎日のように微調整しながら作るラーメンでも、1,000円は高いと一方的な相場観で判断されてしまいます。

マッサージ店であれば以前は10分1,000円が基準であったものが現在は603,000円あたりが相場とされてしまっているように思います。

世間の相場観で価格の高い低いを判断している方々も、自分の職場では、世間の相場観によって苦しめられている経営者に給料アップの要求をしている……。そんな光景を垣間見ると、人間とは面白い生き物だと実感してしまいます。

「もし値上げをしてお客様が買ってくれなくなったら……」

その恐怖(世間の相場観)と闘っている経営者には、「もっと自信を持ってください!」と心から応援しています。