ヤクザ映画から学ぶ情

私は映画が好きです。ヤクザ映画も戦争映画もよく見ましたが、この分野は組織論として見ています。

どちらもしがらみを捨てる物語です。しがらみに縛られている普通の状況の私たちには真似できません。

しかしヤクザ映画や戦争映画では、しがらみに縛られてはいけないことが1つのテーマとして描かれています。

では、経営者はしがらみにどう対応すべきでしょうか。

経営者個人の感情としてはしがらみを大切にしたいものです。しかし、会社という組織で考えると、しがらみを大切にしてはいけません。

例えば、私の組織で何かただならぬ事態が起きたとします。

事態の収拾が最優先ですが、遅かれ早かれ責任者をどうするかという問題に行き着きます。

経営者個人としては守ってやりたい。しかし組織のトップという立場で考えると、組織を守るために切らざるを得ない。ここで情に流されたら組織が傷つくのです。

情は切ったあとにかけるものです。

ヤクザ映画の中に、対象者を“殺す”のですが、実は防弾チョッキを着せてあり、その後の面倒を見る――という物語がありました。

ヤクザとして終わらせるために、腕を1本切り落とすという場面の映画もありました。そうすると武器を持てなくなります。ヤクザとしては終わりでしょうが、命は続くのです。

こんな映画を見てきて思うのは、最後は情だということです。