どのようにして生き残るか

 今から10年前や20年前、あるいは30年前や40年前を思い出してください。例えば――。
 ・自分がどんな両親のもとで育ち、幼稚園から高校、大学まで過ごしたか?
 ・仲の良かった友人については?
 ・家族旅行はどこに行ったか?
 ・どんな物を欲しがっていたか?
 ・部活はどうだったのか?
 ・アルバイトはどこでしたのか?
 ・どんな会社に就職したのか?
 ・初任給をいただいた時の感想は?
 ・結婚相手とはどこで知り合ったのか?

 人間は一人ひとり性格が異なり、趣味や嗜好も異なっているものです。ある脳科学の先生は、人間の性格はほぼ「生育史」で決まってしまうとおっしゃっていました。

 この「生育史」とは、言葉を変えれば「育ってきた環境」のことです。私たちの本質的な性格は幼少期にすでに形成され、そう簡単には変えることができないのです。もし変えることができるとすれば、劇的な環境の変化が必要だそうです。

 私の組織はお客様や従業員の皆さんのおかげで高値安定の状態にあります。この状態がそう簡単に崩れることのないよう(従業員の生活が経済的に壊されないよう)私は日々考えています。

 人工知能(AI)が出した、近い将来なくなってしまう可能性の高い職種に総務・経理・人事などの事務系が入っていました。生き残る職種として、理容業など直接に技術を必要とするものや「感性」を必要とするものが多いです。

 AIによると、私の組織の仕事は将来がない、との結果でした。はいそうですかと受け入れて店じまいをするわけにはいきません。

 ではどうすれば生き残ることができるのか。

 いかに「感性」というスパイスを付けてお客様に提供できるかに掛かっていると私は思うのです。簡単なことではありませんが、従業員の「生育史」に基づく性格を、いかに「感性」として「付加価値」にできるかが将来の生き残りのポイントであると思っています。