能動的な受動性

私は大学時代空手部に所属していました。

その空手部で受けた指導の中で、今でも頭から離れない言葉の1つに「主体性の確立」があります。この言葉によって、すべての言動は自分の意志で行っているのであり、自分の言動から逃げることはできないという責任感(実際は恐怖心)が育まれました。

当時は逃げられない現状に恨み言ばかりでしたが、今の立場になって考えると、経営者の心得そのままであり、非常に素晴らしいご指導をいただいていたと感謝感謝です。

最近テレビで見たのですが、某大手中古車販売会社を退任した社長が会見で「私は何も知らなかった。現場の人間が勝手にやった」的なことを話していました。我々は実情を知る術もありませんが、私の子供時代のはやり言葉に「それを言っちゃお終(しま)いよ!」がありました。社長の発言はピッタリ当てはまる内容でした。

会社のトップとして、実情はどうあれ、ただただ頭を下げなければならないところを従業員のせいにするなど(私のレベルは相当低いですが)同じ経営者として言語道断と言わざるを得ません。

日本人は良くも悪くも「目立ってはいけない」や「独り勝ちをしてはいけない」的な教育(?)や文化(?)の中で生きてきたように思います。つまり、自分が目立っていないことを主体的に主張することによって和を乱さずに事なかれ主義的な生き方を教えられ実践してきたように思うのです。言い換えると、能動的な受動性を強調しなければならない生き方を教え込まれてきたと言っていいのではないでしょうか。

以前投稿しましたが、国際競争の中でかつてないほど信用度や期待度が落ちている日本(人)。私は、全世界の民族の中でも多岐にわたって極めて優秀であると確信している日本人。

今こそ能動的な能動性のある生き方をする時が来たのだと実感しています!