日本の過去は間違っていたのか?

「黄色と黒は勇気のしるし 24時間働けますか~~~ビジネスマン ビジネスマン ジャパニーズビジネスマン」

 私が大学生だった1989年に大ヒットした音楽です。

 旧三共が88年にリゲインという栄養ドリンクを発売し、89年からCMソング「勇気のしるし~リゲインのテーマ~」として一世を風靡しました。

 曲調も軍歌のようであり、現代の若者が聞いたら批判殺到だと思います。

 では、当時はどうだったでしょうか? バブル経済絶頂期の中、私たち大学生はこの曲を社会人への憧れとして聞いていました。

「24時間働く」とは仕事だけでなく遊びも含めてであると解釈していたため、昼間稼いで夜遊ぶという、金はないけれど体力だけはある私には超魅力的な歌でした。現実その3年後(バブル経済は崩壊していましたが)まだまだその気質は残っていたため、朝9時~夜9までは仕事、夜9時~朝3時までは遊び、という生活を繰り返し、体が崩壊していったのをよく覚えています。

 現在の日本はどうでしょうか? また、これからの日本はどうなるのでしょうか?

 国際経営開発研究所(IMD、本部・スイス)という世界最高レベルのビジネススクールが「世界競争力年鑑」を発表しています。バブル期の日本は世界1位でしたが、今は34位まで落ちています。また国際通貨基金(IMF)統計に基づくGDPは現在世界3位ですが、一人当たり名目GDPは31位まで落ちました=2023年7月現在。

 この事実と働き方改革などを日本政府はどのように考えているのか伺いたいものです。

 日本は良くも悪くも昔から労働集約によって生産性を上げてきました。つまり人が金を稼いでいたのです。ですから労働時間が長ければ長いほど収益が上がり、国民の生活が豊かになってきたことは間違いありません。

 私は現在の労働条件などの変革に反対しているわけではなく、むしろそうあるべきだと思っています。しかしこの労働集約の仕組み自体を改革せずに、労働条件を良くした上に賃金を上昇させることは困難だと考えています。もしできるとすれば、人に代わって機械やコンピューターを中心とした仕組みに変えていくことでしょう。そうすれば、今まで人がやっていたことを機械やコンピューターがやってくれますので、そのぶん人員は必要なくなり、残った能力の高い人員だけが超高収入を得ることができるに違いありません。

 社員と会社のどちらが偉い偉くないではなく、お互い様でやっていかなければなりません。そのためには自分の価値を高めることが今後の日本で生き残る絶対条件です。