外面はいいに限る

 家の中の家族には挨拶も愛想もない人が、学校や会社では普通に、あるいは愛想よく挨拶する――。これは普通のことです。人間、使い分けができないと生きていけません。

「あの人は外面(そとづら)がいい」という言い方には批判的なニュアンスが含まれていますが、外面が悪かったら生きていけないのです。

 逆に言えば、外面がいい人間は生きていけます。外面を『広辞苑 第七版』は《他人との応対・交際の時に見せる顔つきや態度》と説明しているように、《他人との応対・交際の時に見せる顔つきや態度》がいいから相手との距離が縮み、人間関係に効果をもたらすのです。

「外面がいい」ということは、外では素を出していないということを意味します。しかし、素を出せる環境が内にあるということです。いい環境に恵まれていると言っていいのではないでしょうか。